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特色ある教育(2016年4月以降入学者向け)
金属分野の教育
金属科目群では,工学全般,材料および金属工学の基礎科目,さらにその応用科目を学習します(参照:金属科目群の体系図)。これらは学年の進行にしたがって専門性が増すように配置され、段階に応じた様々な能力を養成します。最近では特に金属工学を学んだ卒業生の活躍分野が金属素材産業から全産業分野へ広がっているため,材料全般および金属工学の基礎的科目の実力をつけることに重点を置いています。
金属科目群の体系図(学修案内 p126より抜粋)
材料工学および金属工学の体系から,金属科目群は,「金属の物理学」,「金属の化学」および「金属の材料学」の3つの学問分野に大きく分けることができます。
金属の物理学
金属・合金の構造または機能を原子論および電子論的立場から解明しようとする学問分野
金属の化学
金属材料の内部および外部との反応に関する学問分野
金属の材料学
素材としての金属,合金,金属間化合物,金属酸化物(セラミックス),半導体,複合材料の組織・特性,成形・加工,強度・じん性・破壊等を研究する幅広い学問分野
前の2つの分野は金属材料に限らず,例えば半導体・電子材料,高機能機械材料,環境材料等の製造・制御などの物性研究の基礎であり材料科学の基礎です。最後の1つの分野は,金属材料の進歩・社会的要求の変化に対応して最も敏感に変貌しつつある最先端の領域です。以下では特色ある教育科目について説明します。
創造性育成科目 (金属工学実験第一 & 金属工学創成プロジェクト)
学部3年生になると「金属工学創成プロジェクト」がスタートします。この授業では、学生が主役となり、各チーム3名で金属を題材とした「ものづくり」に挑戦します。完成までの道のりで、様々な技術的課題や困難に直面することでしょう。自分のアイデアを主張し、相手の意見に耳を傾ける、これらはチームワークに重要な要素です。チームメイトと熱く議論するうちに、あなたの秘められた創造性に気づき、協調性や問題解決能力が自然と養われることでしょう。
優秀なチームはAOTULEプログラムにより海外派遣され、海外の大学生・大学院生と交流を行い、さらに研鑽を積むことになります。
テーマ1 《フレームカーを作ろう》
フレームカーは、鉛電池で駆動する電気自動車です。各チームには、アルミパイプ、タイヤ、電動モータ、鉛蓄電池が与えられます。これら限られた材料から、いかにオリジナリティー溢れるフレームカーを設計・製作できるかがキーポイントです。最終発表会では、本館ウッドデッキにてタイムトライアル・耐久レースを開催し、走行性能・デザイン性・耐久性を評価します。
製作したフレームカーは工大祭でも走行します。この様子は本学広報誌「Tech Tech ~テクテク~ No.23, p10」に掲載されています。
2018年度フレームカーの報告書
2016年度フレームカーの報告書
2015年度より、SUS株式会社もフレームカーレースに参戦しています。 この様子は、 SUSのFAマガジン誌「Sing」にもレポートされています。 Sing No33, pp.22-28 : 2016年フレームカー前編(ベニヤカー製作・中間発表) Sing No34, pp.19-28 : 2016年フレームカー後編(フレームカー製作・最終発表・レース) |
テーマ2 《オルゴールを作ろう》
オルゴールは、音階を作っている櫛状の金属板(櫛歯)をはじいて小曲を奏でる玩具です。金属学・材料力学を駆使して美しい音色を生み出す櫛歯を作製するとともに、学生自ら設計した世界でひとつだけのオルゴールを自作します。25年度は「シリンダ式オルゴール」の作製を競い合いました。
オルゴールの報告書(2018年度)
オルゴールの報告書(2017年度)
オルゴールの報告書(2016年度)
テーマ3 《高性能電池を作ろう》
アルカリ電池、オキシライド電池など、いろんな電池が市販されています。では、電池をゼロから実際に作れるでしょうか?鉛蓄電池グループは、フレームカーレースの電源として、安全性(転倒に対し)、走行性能とも、問題ない電池を作れることを証明しました。現在は、オルゴール班とのコラボレーションを行っています。また、ゼロからはじめた燃料電池グループも、モーターを回せるようになりました。
鉛蓄電池の報告書(2018年度)燃料電池の報告書(2018年度)鉛蓄電池の報告書(2017年度)燃料電池の報告書(2017年度)
鉛蓄電池の報告書(2016年度)燃料電池の報告書(2016年度)
AOTULEへの派遣状況
年度 |
テーマ(参加者) |
派遣先 |
2012 |
燃料電池 |
マラヤ大学、マレーシア |
2013 |
オルゴール(鰺坂、大塚、岡本) |
チュラロンコン大学、タイ |
2014 |
鉛蓄電池(荒井、太田、堀田) |
メルボルン大学、オーストラリア |
2015 |
鉛蓄電池(木村、高橋、西垣) |
南洋理工大学、シンガポール |
2016 |
燃料電池(沖原、陳、松田、渡辺) |
香港科技大学、香港 |
2017 |
オルゴール(齋藤,篠原,林) |
ハノイ工科大学、ベトナム |
2018年度のAOTULEはインドで開催予定です。
英語教育
金属工学科では、本学共通科目「英語1-7」に加えて以下のような英語に関する講義があります。
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これらの講義を通じて、金属工学の研究者としてより実践的な英語を習得できます。
世界で通用する人材を育成するために、英語教育に力を入れています。全学科目に加えて以下のような少人数制の英語の講義を用意しています。
・金属工学英語セミナー(3年次1~2Q)
下のテキストを使って、金属材料の物理、化学及び機械的性質に関する基礎的な内容を英語学び、学んだ内容を英語でプレゼンテーションする授業です。技術的な専門用語・英語表現の習得のみならず、学問の内容、重要性を効果的かつ魅力的に聴衆に伝えるプレゼンテーションスキルを身に着けることができます。5~6人ほどの少人数制で行います。また、英語のプレゼンテーションで評価の最も高かったグループの学生には、大連理工大学への留学派遣の権利が与えられます。
・科学技術者実践英語 材料系(3年次3Q)
小人数のクラスで、英語ネイティブの講師による科学技術分野における英語コミュニケーションを学ぶ授業です。この授業を通して、科学技術分野の英語コミュニケーションにおいて重要であるリスニング、語彙力、プレゼンテーション実践力を身に付けることができます。